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トレッド・パターン
前述のとおり、SCORPION™ RALLY STR のトレッドパターンは、ブロック形状ですが、より大きなブロック形状は路面との接地面積を増やし、安定したストリートでの使用に最適化されています。

SCORPION™ RALLY STR のトレッド面は、まったく新しく市場に投入される形状と、ブロックの高さ/幅の比率を持っています。こうした機能のおかげで、ピレリはオフロードでのトラクション性能を犠牲にすることなく、ストリートでの安定性を向上させることに成功しました。

事実、センター部の比較的大きなブロックはより大きな接地面積を提供し、これがたとえ高速域であっても優れた安定性と、耐久性を約束します。余裕を持たせたブロック中央部の刻み目は、トップレベルのオフロードにおけるトラクションを約束し、さまざまな地形にもひるむことなく走り出すことが可能です。


コンパウンド
The SCORPION™ RALLY STR のトレッドは、前後ともに極めて高いシリカ含有率を持つ単層(シングル・レイヤー)で構成されています。これは高い耐久性、安定性、耐摩耗特性を、ドライ、ウェットを問わず高いレベルのグリップとともに発揮できることを目的としているからです。シリカの含有率は55%を超え、ここに適切な配合でカーボン・ブラックとレジンが組み合わされています。

開発に当たり特に注意が払われたのは、ポリマー(高分子化合物)と充填剤の選択と化合時の調和を最適化させることでした。ピレリだけが持つ、かつ特許を保有するブレンド法により、シリカとカーボン・ブラックは、新しい種類のレジン(樹脂)、油分とポリマーとともに結び付けられ、結合力を高めることによって極めて高いレベルで均質に仕上げることができました。これはそれぞれの素材の能力を限界まで引き上げることを可能とし、かつその性質をより発揮できるようにするためのカギを握る技術なのです。結果として、化学的かつメカニカルなそれぞれの素材の特性が、このモデルの安定した、長きにわたる性能を発揮できるキャラクターを生み出したのです。


プロファイル
The SCORPION™ RALLY STR のプロファイル(外形形状)はオンロードでの能力向上を狙ったモデルであるSCORPION™ Trail II(スコーピオン・トレイルⅡ)のデザインをその柱としています。

ピレリが持つ可変ラウンド形状という哲学を維持するため、SCORPION™ RALLY STRでは、プロファイルを決定づけるタイヤコードのサイズや長さを、コーナリング中であってもグリップと安定性を十分に発揮できるようトレッド面の接地面積を増やすことに注意が払われ、開発されました。キャッププライ(タイヤの高速耐久性などを確保するためのコード層)の高さは衝撃吸収性、快適性、並びに高速安定性に寄与すべく大きく高められました。

また、プロファイルは前後ともに類似の形状とパターンとし、セットでの性能発揮が確実に期待できるよう設計されています。


構造
SCORPION™ RALLY STR で採用された構造は、SCORPION™ Trail II(スコーピオン・トレイルII)で開発された構造にその端を発していますが、いくつかの重要な変更が加えられています。ラジアル・サイズモデルに0度で組み合わせられるスチール・ベルトにより、プロファイル全周にわたってスチール・ケーブルがそれぞれ異なる密度と距離を与えられているのです。これは中央部と側面部のブロックとの間の溝の部分の構造的な剛性を高め、これによって全体的な接地面がゆがむことが無いように寄与しています。長旅に向けてたっぷりと荷物を積み過剰に重くなっているようなマシンコンディションであっても、十分な安定性を提供しているのです。

十字形状に積層された構造は、タイヤのケース部分から側面の剛性と円周方向にかかるストレスへの耐性を高め、これはどんなバンク角であっても安定したトレッドを提供することに資しています。

2プライ(積層)のラジアル・ケースを構成するレーヨン製のタイヤコードは、優れた線形上の密度と剛性を提供し、タイヤ全体の構造上の衝撃吸収性に大きく寄与しています。